欽明天皇十三年(552年)、島の洞窟(岩屋)に神様を祀ったのが起源。
奥津宮(おくつみや)、中津宮(なかつみや)、辺津宮(へつみや)の三宮から成り、海の神・水の神・幸福・財宝を招き、芸道上達の功徳を持つ神として、三姉妹の女神様を祀る。
さらに弁財天も祀られ、日本三大弁財天のひとつとしても有名。
文武天皇四年(700年)以降、各名僧たちがご神徳を仰ぎに訪れた島であり、慶長五年(1600年)には徳川家康も参詣に訪れ、代々の将軍たちも病気の治癒・安産・旅行の安全などを祈願したと伝えられている。
*奥津宮(おくつみや)
三姉妹の一番上の姉神で、安らかに海を守る神様といわれる多紀理比賣命(たぎりひめのみこと)が祀られている。
相模湾を臨む岩屋(龍神伝説発祥の地)に一番近い奥津宮は、かつて本宮または御旅所(おたびしょ)と称され、岩屋本宮に海水が入りこんでしまう4~10月の期間は、ご本尊がこちらに遷座したといわれている。
社殿は壮麗を極めていたが、天保12年(1841年)に焼失。翌年再建されたのが、現在の御社殿(入母屋造り)で、昭和54年(1979年)に御屋根が修復された。さらに、平成23年(2011年)に本殿が170年ぶりに改修された。
*中津宮(なかつみや)
市寸島比賣命(いちきしまひめのみこと)が祀られ、仁寿3年(853年)に慈覚大師(じかくだいし)が創建。元禄二年(1689年)に、五代将軍・徳川綱吉により、本殿・幣殿・拝殿からなる権現造りの社殿が再建された。現在の社殿は、平成8年(1996年)の全面的な改修によるもので、元禄2年当時の朱色が鮮明な社殿を再現している。平成23年(2011年)には幣殿、拝殿の床板を張り替え、御札授与所も再建、社殿脇には水琴窟を構えた庭園(9:00~16:00/無料)が開園した。
また、境内には江戸歌舞伎中村座・市村座から寄贈された石燈籠などがあり、商人・芸人・庶民の信仰の深さをうかがい知ることができる。
さらに江島神社の縁起である弁天様にあやかり、「美しい恋がしたい」と願う女性たちのパワースポットとしても注目を浴びている。
*辺津宮(へつみや)
田寸津比賣命(たぎつひめのみこと)が祀られ、土御門天皇の建永元年(1206年)、時の将軍・源實朝(みなもとのさねとも) が創建。
延寶3年(1675年)に再建された後、昭和51年(1976年)の大改修により、権現造りの現在の社殿が新築され、屋根には江島神社の社紋が見られる。
高低差のある江の島(神域内)で、一番下に位置していることから『下之宮』とも呼ばれ、島の玄関口にもあたり、神社でのご祈祷は、主にこちらで奉仕される。
・・・江島神社のシンボル「弁天様」をお祀りする奉安殿・・・
辺津宮の境内の八角のお堂・奉安殿(ほうあんでん)には、国の重要文化財に指定されている八臂弁財天(はっぴべんざいてん)と、裸弁財天・妙音弁財天(みょうおんべんざいてん) が奉安され、日本三大弁財天としても有名。
他に、十五童子像・後宇多天皇の勅額・弁財天像扁額、弘法大師の手形が押された護摩修法による弁財天像を拝観することができる。